52.眼瞼内反

こんにちは池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
読書の秋ですね。目はお疲れではありませんか?

今週のテーマは眼瞼内反です。

 

眼瞼内反とは
眼瞼内反は、瞼の縁が眼球側に向かい、まつげあるいは瞼の縁の皮膚が角膜(黒目)を刺激している状態です。「逆さまつげ」とよばれるものの一部です。

 

<症状>
角膜(黒目)をまつげがこすり、傷つけるため、涙・めやに・眩しい・瞬きが多い・充血する・見にくいといった症状がみられます。小児、成人では以上に加え、異物感、痛みなどを訴えます。
睫毛が角膜と接触し、角膜上皮障害・潰瘍や角膜混濁を生じることもあります。

 

種類・原因>
瘢痕性眼瞼内反・・・トラコーマ、外傷、火傷などの後遺症として発生します。
痙攣性眼瞼内反・・・眼裂周囲の眼瞼筋に含まれる筋肉の収縮が原因です。
老人性眼瞼内反・・加齢に伴うまぶたの緊張低下および、眼輪筋の収縮が原因です。
先天性眼瞼内反・・生まれつきの内反症です。成長につれて改善傾向がありますが、小学校高学年になっても治らず症状が強い場合には手術を行う場合もあります。

 

<検査>
まぶたの形状、まつ毛が角膜に接触していること、角膜の傷の程度などを診断します。常時まつ毛が角膜に接触している場合のほかに、眼球運動やまばたきの強さ次第で、まつ毛が角膜に接触する場合があります。

 

<治療>
先天性の眼瞼内反・睫毛内反の場合、成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、それまでは抗生剤の点眼などで様子をみるのが普通です。2歳以上で治らない場合、さらなる成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では手術を考えます。
 加齢性の眼瞼内反では、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、またまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。また、抜くにしても、ひと並びのまつ毛全体を抜く苦痛も決して軽くはありません。手術して治すほうが効果的です。
 睫毛電気分解(まつ毛の毛根を電気の針で焼く)や冷凍凝固、糸をまぶたの中に縫いこむことで、まつげの根元を外側におこす埋没法、皮膚と皮下組織を切除して瞼板に縫い付ける切開法、 高齢者の下まぶたにおこなう眼輪筋短縮術など病状に合わせて手術方法を選択します。
また、瘢痕性、痙攣性のものには、口の粘膜などを移植する等の手術的矯正をとることがあります。
※当院では、診察の上原因と最適な治療法を検討したうえで、手術が本当に必要と判断されれば他院を紹介いたします。

眼科専門医による適切な診断と治療が必要です。
不快な目の症状が少しでもある方は、眼科専門医に相談しましょう。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。             
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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