688.網膜剝離の治療法

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所でございます。

 

今回のテーマは「網膜剝離の治療法」です。
 
網膜剝離とはどのような症状を指すのでしょう。まず、網膜とは、目の中に入った光を刺激として受け取り、視神経そして脳に伝達をする組織です。光や色を感じるのに重要なたくさんの神経細胞(視細胞)と、それにつながる神経線維からできています。眼球をカメラに例えると、網膜はフィルムのような働きをしています。網膜剝離は、眼球の内側にある網膜が剥がれて、視力の低下や見える範囲が狭まる病気です。前兆として視界に虫や糸くずのようなものが見える飛蚊症があらわれることがあります。眼球運動に付随して、視野の周辺に一瞬あるいは数秒間稲妻のような光が走るという自覚症状である光視症もあります。その他、視界が暗くなったり、物が歪んで見える症状もあります。これらを放っておくと失明に至る場合もございます。大半の網膜剥離は神経細胞に裂孔ができて起こるので、裂孔原性網膜剥離と呼ばれます。それに対して孔を伴わない網膜剥離もあり、非裂孔原性網膜剥離といいます。

 

網膜剝離が起こる原因としては、糖尿病網膜症などの一部の病気や加齢による変化によって生じることが多いですが、眼球の打撲などで急激に眼球が変形して発生することもあります。また、強度近視や遺伝的な素因などで網膜に萎縮性の孔が生じることもあります。最初は網膜の穴(網膜円孔)や裂け目(網膜裂孔)が先に起こります。それを放置してしまうと、眼球を満たしている硝子体というゼリー状の物質がどんどん入り込み、網膜が剥がれていきます。20歳代と50歳代以降に特に多く、若い人の網膜剥離は、外傷やこのような網膜変性によって起こる場合がほとんどです。

 

網膜剝離はどのようにして治療すればいいのでしょうか?網膜剝離の治療は症状や進み具合によって異なります。網膜裂孔だったり穴が開いていて、網膜がそれほど剥がれていない状態の場合は、網膜光凝固術と呼ばれる、レーザー治療を行います。瞳孔から網膜の穴にレーザーを照射し、焼き付けることにより、裂け目の周囲の網膜とその下の組織がくっつくため、網膜が剥がれにくくなります。当院ではこちらの治療法を行っています。すでに網膜が剥がれている状態であれば、網膜復位術(強膜バックリング術)又は硝子体手術の2種類の手術方法があります。網膜復位術は網膜裂孔を眼球の外から凝固し、網膜の下に貯留した液を眼球外へ排出し、眼球にスポンジを巻きつけて硝子体が網膜を引っ張る力を緩めて網膜裂孔を閉鎖します。硝子体手術とは、網膜剥離を目の内側から治す方法です。眼球の白目に3~4カ所の小さな穴を開けて、細い器具を眼内に入れて操作する非常に繊細な手術です。

 

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