82.色覚異常

色覚異常とは、
色の見え方・感じ方が、多くの色覚正常といわれる人とは異なっている状態をいいます。そのほとんどが先天性のものです。
人間の網膜には、視細胞という細胞があり、視細胞は、錐体細胞と杆体細胞という2つの細胞に分かれます。
錐体細胞は赤錐体・緑錐体・青錐体と3種類あり、色や物の形を感じ、この3種類の組み合わせで、
さまざまな色を感じることができるのです。杆体細胞は明暗を感じる細胞で、色や物の形を見分けるのにはあまり関係ありません。
この錐体細胞のいずれか、あるいは全てが欠損したり不完全で起こる色の感じ方の異常を色覚異常と言います。
錐体は、光の波長のどのあたりに強い感度を持つかによって、3種類に分類されます。

<種類>
全色盲…色覚異常のなかでも最も程度が強く、1色型色覚と分類されています。
全色盲では視力も0.1程度と非常に弱いことが多く、一般の人には普通の明るさと感じる程度でもまぶしく感じてしまったり、
自分の意志ではなく勝手に眼球が振動してしまうといった色覚以外の問題もあります。近視などとは違い網膜の問題なので、
眼鏡などで視力の矯正ができません。明る過ぎる環境ではさらに視力が低下する可能性があるため、サングラスなどを使用します。


赤緑色覚異常…色覚異常者の中で、この赤緑色覚異常が多く、赤と緑の区別がつきにくいという症状です。
網膜の錐体神経のうちの赤錐体系か緑錐体系の異常により発生し、赤の識別がしにくい場合には第1色覚異常、
緑の識別がしにくい場合には第2色覚異常と分類されます。


青黄色覚異常…青錐体系に異常のあるものは第3色覚異常と分類されます。
網膜の錐体神経のうち青錐体系の異常により起こるもので、一般の健常者であっても青錐体系の数は少なく、
この錐体神経はあまり使用していないため、生活を送る上での支障は全くといって良いほどありません。
おもに緑が青っぽく、黄色が白っぽく見えるようになるといわれています。


後天性色覚異常…原因は様々ですが、主なものを挙げると白内障、緑内障、網膜病変、視神経病変、
大脳性病変などの病気の症状の一つとしてだけでなく、心因性要因や視覚中枢の加齢による変化なども後天性色覚異常の原因として挙げられます。


<当院での検査>
当院にて使用される検査表は、石原式色覚異常検査表によるもので、広く国際的にも使われている検査方法です。
色覚異常がある方にわかりにくい色の組み合わせを使って描かれた表(主に数字)を読み取ってもらい、色覚異常の有無を調べます。


<治療>
先天性のものは遺伝子に異常があって起こるものであり、進行・治癒するということはありません。
後天性のものは、疾患の症状の一つとして起こってくるので、原疾患の病状に伴って、増悪もしくは軽快します。
青黄異常と赤緑異常が混在しますが、青黄異常の方が強く出る傾向にあります。
これは赤錐体系よりも青錐体系の方が障害を受けやすく、回復しにくいためといわれており、
元疾患の治癒によって赤緑異常は改善しても、青黄異常だけが残ってしまうこともあります。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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