こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
桜も葉桜に代わり、いつもならば新学期や就職、新しい年度の始まりでワクワクするところですが、今年は「ステイ　ホーム」しながら少し気分転換にメルマガをお読みになってくださると幸いです。

今回のテーマは「遠視と老眼は何が違うの？」です。

【遠視】と【老眼】、よく聞く言葉だと思います。でも、どちらも凸レンズの眼鏡を使用するので混同されている方も多いかと思います。しかし、この二つは原因が違います。（眼科では、老眼を【老視】と言います。）

◎ものが見える仕組み
　目に入ってきた光は角膜、続いて水晶体（カメラのレンズの役割を果たします）を通って屈折され、眼球の奥にある網膜（カメラのフィルムの役割を果たします）に到着します。網膜でピントが合うように水晶体の厚さを調節します。

◎遠視と老眼の違い
　遠視は屈折異常であるのに対し、老眼は老化による調節異常で、近いところを見るときの問題となります。

遠視の場合（調節異常）
（１）目に入ってきた光は眼軸が短いため、調節を休めてリラックス状態だと網膜の後ろにピントが合ってしまいます。
（２）遠いところや近いところを見る場合は、より多くの調節をして網膜にピントを合わせます。

老眼の場合（調節異常）

　老化のために水晶体の弾性が弱まってしまうので、近いものを見たときに調節する力が弱まり、網膜にピントが合いにくくなります。

◎遠視だと困る？
　子供の時は、調節する力が強いので学校の視力検査ではわからないことが多いです。眼科では、遠視を見つけるために、調節を一時的に休ませる目薬を用いて検査します。
　絶えず、調節を使って物を見ているため、目と体が疲れやすく集中力が続かなかったりします。子供の時は、飽きっぽかったり、落ち着きがなかったりすることもあります。
また、遠視が強いと、過剰に調節を使うために目が内に寄る【内斜視】になったり、目の発達が十分にできないために【弱視】になったりする場合もあります。
年齢を重ねると、軽度の遠視であっても、調節を絶えずしているために体に疲れなどの症状が出てくることもあります。

◎老眼になると
　老眼は、誰もがなる目の老化で、水晶体の弾力性が弱まり調節しにくくなる結果、近いところが見えにくくなる症状をさします。
　自分はまだ若いからと無理をすると、目の疲れ、頭痛、肩こり、吐き気などの症状が出てきます。

◎近視の人は老眼にならない？
　近視の人はもともと近くにピントが合うところがあるので、調節をあまり必要としないので、見かけ上、老眼になっていないように見えます。
　近視の眼鏡をかけている人は、近くを見るときには近視の眼鏡をはずしたり、近くに合わせて度数の弱い眼鏡や、遠近両用の眼鏡などで矯正します。

遠視と老眼は違うものですが、どちらも目の疲れや体の疲れなどの症状が出てきます。症状を感じたときは、お気軽にご相談ください。

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