572.水道水で目を洗ってはいけない?
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
寒さの厳しい季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「水道水で目を洗ってはいけない?」です。
花粉の時期やコンタクトレンズ使用後など、違和感がある時には目を洗いたくなります。
しかし、水道水で目を洗うことは目に良いことではありません。
飲み水としては世界でも最高基準の日本の水道水ですが、どうして目を洗ってはいけないのでしょうか。なぜならば水道水の原水には私たちが使用した生活排水も原水として取水されます。浄水場では塩素を2回投入して滅菌を行い、安全を確保するために水道水1リットル当たりに0.1mg以上の塩素が残るように決められています。感染症を引き起こすウイルスや細菌、病原微生物を消毒するためですが、この塩素が目の表面の角膜に傷をつけてしまうのです。
また、大切な涙の成分まで洗い流し、ドライアイ等の原因となる可能性もあります。
涙は乾燥を防ぐ油層・角膜に栄養を与える水層・涙を眼に留めるムチン層からなっていて、3層がバランスよく存在することにより、安定した質の良い涙となります。この3層のバランスが崩れると、目が乾きやすくなってしまいます。
〈目を洗うときはどうしたらよいか〉
人工涙液を点眼する方法が、最も適した方法です。
洗眼方法は、人工涙液を1滴点眼するだけです。これだけで、目の中に入った花粉やゴミを洗い流すことができます。
人工涙液の中には防腐剤が含まれているものもあり、繰り返し点眼すると目に悪影響を与えることがあります。防腐剤が含まれていない人工涙液の使用をおすすめします。
目の違和感や乾燥感から、何度も洗眼を繰り返してしまう方もいるようですが、必要以上の洗眼はドライアイ等の疾患の原因となります。
当院では、ドライアイ等の診察や点眼薬の処方も行っております。目の違和感や乾燥感が気になる方は、お気軽に医師にご相談ください。
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院長: 堀 好子
(日本眼科学会認定 眼科専門医 医学博士)所属学会:日本眼科学会会員、日本眼科医会会員、日本角膜学会、 日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折手術学会
視覚障害者認定医
経歴 昭和61年 岩手医科医学部 卒
平成2年 岩手医科大学大学院 卒平成3年 岩手県立大船渡病院 眼科医長
平成5年 岩手医科大学眼科助手
平成5年 ハーバード大学スケペンス眼研究所勤務
平成9年1月 東京歯科大学眼科勤務
平成9年6月 南青山アイクリニック勤務
平成20年 東京歯科大学市川総合病院勤務平成22年4月~ 池袋サンシャイン通り眼科診療所 管理医師就任
主な論文 The three-dimensional organization of collagen fibrils in the human cornea and sclera.(旧姓Komai)
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