260.遠近両用メガネの仕組みと使い方

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
段々と寒さが厳しくがなってきておりますので、体調を崩されないようお体ご自愛下さい。
今回のテーマは『遠近両用メガネの仕組みと使い方』です。

1)遠近両用メガネとは
遠近両用メガネには、遠用部(遠くの度数)、近用部(近くの度数)、中間部(それを繋ぐ度数)があります。中間部は連続的に度数が変化しているエリアで累進帯とも言います。1枚のレンズで度数が変わるので、必ず「歪み(ぼやけたり歪んで見えたりする部分)」が発生します。この歪みをどう抑えてクリアな部分を確保するか、各レンズメーカーがレンズ設計を競っているポイントです。具体的には、視線の通る縦のエリアは出来るだけクリアな視界にし、あまり視線が行かない横のエリアに歪みを持っていきます。

レンズの構造は、2タイプがあります。
1-①バイフォーカル
レンズの中で、遠用と近用の2種類の度数がハッキリ分かれています。小窓がついているタイプのレンズです。中心部、周辺部どちらに遠用、近用が配置されているかはレンズにより異なります。
1-②マルチフォーカル
レンズの上方から下方に向かって徐々に度数が変化しているタイプです。現在は、ほとんどこのマルチフォーカルタイプが使われています。

2)遠近両用レンズは①通常の遠近両用、②中近レンズ、③近々レンズ種類に分けられます。
2-①通常の遠近レンズ 一般的に遠近両用はハード設計とソフト設計という呼び方をする2種類の設計があります。
・ ハード設計
遠用部と近用部のクリアな部分を出来るだけ広く取った作りになっており、その反作用としてレンズの歪みが強くなります。
・ ソフト設計
ハード設計に比べて見えるエリアは狭いのですが、横の歪みが全体的に弱い為、一般的にはマイルドな見え方になりかけやすいと言われております。
2-②中近レンズ パソコンやデスクワーク等比較的近用を見る時間が長い人や、加入度が進んだ場合(老眼が進んだ場合)に中近メガネが重宝します。中近というのは、遠方の部分を無くすことで中間部分及び近方部分を見るためのエリアを広くげた設計のレンズです。加入度数が2.25以上(50代後半以上)になると、レンズ設計上、中間部と近用部のエリアが狭くなるため、一般遠近レンズだとパソコン作業や手元の書類を見る時に見づらい、顎の上げ下げが煩わしいという不都合が生じます。中近レンズを使用されるとパソコン等の事務作業が楽に行えるようになります。
2-③近々レンズ(近用ワイドビジョンレンズ) 
遠方・中間距離とも省き、中近レンズよりも更に、お手元をより広くまた老眼鏡よりも奥行きを持たせたデスクワーク専用の近用ワイドビジョンタイプを近々レンズと呼んでいます。中近タイプではあごをわずかですが少し上げ気味で画面を見る必要がありますしたが、近々レンズならば顎を動かすことなく自然にパソコンの画面とお手元の書類を見ることが出来るようになります。
皆さんの生活環境、使用条件によって異なりますが、遠近両用メガネをベースにお使い頂いて、プラスアルファの眼鏡として中近レンズもしくは近々レンズを使い分けるとより快適な視生活が送れます。

3)加入度数(老眼の度数)と累進帯の長さ(度数が段々と変化している長さ)
累進帯(レンズの遠用部から近用部の度数が変化している部分)が長いほどクリアな視界が広くなり歪みも少なくなり慣れやすくなります。しかし累進帯が長いと手元を見るときに視線をかなり下まで持っていくのが大変です。累進帯の短いレンズだと、視線の移動が少なくなりますが、横の歪みが強くなる為、注意が必要です。
加入度数とは、遠方部の度数と近方部の差のことです。加入度数が強くなると歪みが強くなるので、加入度数を強くすれば良く見えるとは限りません。遠方度数と近方度数のバランスを考えて処方することが大切です。

4)遠近両用メガネの使い方
遠くを見る場合はあまり意識せず、まっすぐ向きます。レンズの上方に遠用度があるので鼻眼鏡にせず、しっかりかけて正面を向けば、正しい部分で遠方を見ることができます。近くを見る場合は頭を上下にあまり動かさずに、視線だけを上下に動かして、下目使いでレンズの下方を使うようにして見ます。また、横の方を見る場合は目線だけでなく頭も見る方向に少し動かしてあまりレンズの端の方で見ないようにします。

5)遠近両用メガネでの階段での注意点
患者様より「下りの階段及び下りエスカレーターが見えにくく怖い」というご意見を頂くことがあります。階段を降りるときは自然と目線が下になり、レンズの下方、つまり近用部を使ってみてしまいます。階段を降りるときは、お辞儀をするように、または顎を引いてレンズの中心で階段を見ていただくと見えにくさは解消します。

6)遠近両用メガネの慣らし方のコツ
遠近両用メガネは1枚のレンズに複数の度数が入っている為、最初は違和感を伴い、度数が合っていても疲れを感じやすいものです。個人差はありますが慣れるまでに時間がかかります。直ぐに長時間使おうとせず、最初は短時間から掛け慣らし徐々に使う時間をのばしてください。最初は着席時に使用し、慣れてきたら室内で歩くときにもかけてください。屋外で使用するのは室内掛けに慣れてからの方が安全です。

遠近両用レンズは馴れていただくと、とても便利なメガネです。
度数、見え方などでお困りの場合は何なりと当院へご相談下さい。



●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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