こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
初夏の暖かさが暑さに変化し始めた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか？

今回のテーマは「コンタクトレンズのケア用品の種類について」です。

ソフトコンタクトレンズのケア方法
使い捨てのソフトレンズには２種類のケア用品があります。
・ MPS(マルチ・パーパス・ソリューション)…こすり洗い、すすぎ、消毒が１本で出来るこすり洗い消毒のケア用品
・ 過酸化水素タイプ…つけ置き消毒のケア用品
それぞれの特徴や陥りやすいトラブルの説明をさせて頂きます。

【MPS(マルチパーパスソリューション)】
1本で洗浄、すすぎ、消毒、保存ができます。こすりつけおきの時間が過酸化水素タイプより短いので
毎日長時間装用される方におすすめです。こすり洗いをきちんと行わないと消毒効果が得られないことが注意点です。

ＭＰＳタイプでの陥りやすいトラブルとしては、
１）こすり洗いをせず、つけ置きだけをされた場合。
２）古い容器を使い回しされる場合。
３）つけ置き液を交換されないで使い続ける場合。
必ずこすり洗いをして頂き、清潔なケースに新しい保存液につけ置きをお願いします。
※使用後のレンズケースは液を捨て、ケア用品などでよく洗ったあと、液を振り切り、自然乾燥させてください。
※一度使用した保存液は再利用できません。ケースを乾燥させて菌の増殖を防いでください。

【過酸化水素水】
過酸化水素水の強い消毒力を使い、消毒をします。ただし過酸化水素水は目には劇薬ですので、
消毒の際にコンタクトレンズの中に取り込まれた過酸化水素の中和を行います。消毒力はMPSより強力ですが、
中和が完全に終了してから装用しないと大変危険なので、消毒時間をしっかりととれない方にはお勧めできません。

過酸化水素タイプ使用時の陥りやすいトラブルとしては、
１）つけ置き規定時間以内で装用してしまう場合。
２）消毒液ですすいで眼に入れてしまう場合。
必ず規定時間以上つけ置きして頂き、レンズをすすぐ場合は市販の生理食塩水ですすいで下さい。
※使用後のレンズケースは空にして流水でよく洗った後、自然乾燥してください。

ハードコンタクトレンズのケア方法
ハードレンズの洗浄・消毒方法も主に2通りあります。
・ こすり洗いタイプ
・ つけおき洗いタイプ…ソフトレンズと違って酵素の力で消毒を行います。

【こすり洗いタイプ】
1) 外したレンズを人差し指と中指にレンズを乗せて洗浄液を３～４滴落とします。
2) 親指、人差し指、中指を使ってレンズを100回程度こすります。
3) 洗ったレンズを洗浄液か、水道水で洗い流して保存液を満たした専用のケースにしまい、指定の時間置きます。
4) 装用するときは、ケースから出して水道水で洗ってから装用します。
こすり洗いタイプのケア用品：ピュアティなど
【つけおき洗いタイプ】
1) 外したレンズをレンズケースに保存液を入れて、酵素剤を１～2滴加えます。
2) その中に外したレンズをつけ、一定時間そのままにしておきます。
3) 装用するときは、ケースから出して洗浄液か水道水で洗ってから装用します。
・ 酵素系洗浄剤：顆粒や錠剤をつけおきの際に加える方法でタンパク除去を行います。
・ 塩素系洗浄剤：すすぎの終わったレンズを次亜塩素酸ナトリウム溶液につけておくことでタンパク除去を行います。
ただし、塩素系タイプは汚れを強力に落としますが、あまり頻繁に行うとコンタクトレンズの劣化を早めるため、
使用は汚れが強くて落ちないとき、または月に1回程度にとどめてください。

ハードレンズケアの陥りやすいトラブルとして、
１） こすり洗いつけ置き共に、すすがずに眼に入れてしまう場合です。必ず水道水ですすいで装用してください。
２）次に多いのが流失です、ケアをされる洗面台には市販のレンズキャッチャーを装着されることをお勧めします。
万が一刺激性のあるケア用品の液が眼に入ってしまった場合は、早急に水で洗い流していただき、当院へお越しください。
そのままにしてしまうと痛みが出たり、眼に炎症を起こしてしまう可能性があります。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。