154.角膜の病気

こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
寒い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。お体ご自愛くださいませ。

今週のテーマは「角膜の病気」です。

●角膜とは
人の目の黒目や茶目にあたる部分を「角膜」といいます。外から入ってくる光を屈折させて、網膜に像が結ぶのを助ける役割があります。今回は数ある角膜障害の中から、よくあるものを幾つかご紹介させていただきます。

●点状表層角膜炎
名前の通り角膜に点状の傷がついてしまう疾患です。コンタクトを長時間装用し続けたり、汚れてしまったレンズを装用することで角膜に酸素が行き渡らなくなり、傷がついてしまいます。自覚症状は痛み、充血、涙、まぶしさなどです。いつもと比較しておかしいと思う症状が出ると、この疾患を疑ってもいいでしょう。コンタクト装用者の場合はコンタクトを中止し、細菌感染しないように抗生物質の点眼薬を使用し治療します。

●角膜びらん
角膜の表面の上皮が部分的にとれた状態を「びらん」といいます。多くは外傷、異物飛入、コンタクトレンズ障害など、外的な要因で起こります。また、糖尿病(糖尿病の眼の合併症としては網膜症がよく知られているが、実は糖尿病の人では普通の人と比べて角膜の上皮が脱落しやすくなる)、角膜ジストロフィーなどの内的な要因でも起こります。症状としては眼のころつき、痛み、白眼の充血が起こります。涙もたくさん出ますが、目やにはあまり出ません。治療についてですが、症状が非常に軽い場合は感染予防の抗菌点眼薬をするだけということもあります。が、通常は抗菌薬の眼軟膏(がんなんこう)を塗布して、眼帯をします。びらんの大きさにもよりますが、通常は数日で治ります。

●角膜異物
黒目にごみなどがついたり、刺さったりすることを角膜異物といいます。早急に異物を除去し、感染を防ぐことが重要です。代表的な角膜異物のひとつに、鉄工所などでの作業中に飛び込んでくる鉄片異物があります。他に原因となる異物としては、飛んできたゴミ、植物片、小さな昆虫、砂、ハードコンタクトレンズなどさまざまな小物体があげられます。角膜は非常に痛覚が発達しているため、異物が付着した瞬間に異物感、眼痛などの症状が現れます。治療はまず異物を除去すると同時に、感染の予防を行います。角膜に刺さっている異物は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡下でていねいに除去する必要があります。除去後は感染を予防するために、抗菌薬の眼軟膏を入れ眼帯をつけます。汚染されている異物の場合にはとくに感染予防対策が大切です。いったん感染を起こした場合には角膜潰瘍など重い合併症に進む危険性があります。

●角膜ヘルペス
ヘルペスウィルスの感染のしかたには特徴があります。ほとんどの人が子供の頃ヘルペスウィルスに感染しています。約1割の人では結膜炎などをおこしますが、約9割の人は症状がないままで、感染に気づきません。感染後、目の奥にある三叉神経節に住み着きます。たいていの人が、その状態のまま一生を終えます。ところが、ストレス・つかれ・発熱などがきっかけとなってウィルスが目覚めて角膜の表面に出てくると、約0.05%角膜ヘルペスが発症します。他の目の病気とは異なり、よく再発することが特徴で、従って目の感染症の中で、一番失明率が高い病気です。他の人に伝染することはあまりありませんが、ウイルスに対して抗体を持っていない乳幼児に対しては注意が必要です。患者さんが自分の目を触った手で、乳幼児に感染させる可能性があります。薬による治療が中心です。処方に従って、きちんと治療を続けることが大切です。

●アカントアメーバ角膜炎
アメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気です。非常にまれな感染ですが、角膜の感染症のなかでは最も重症です。アメーバは大変感染しにくい病原体です。正しくコンタクトレンズを使用している場合に感染することはあまりありません。しかし、いったん感染すると、診断・治療は困難を極めます。アメーバで汚染されたコンタクトレンズを使用することによって生じます。汚れたレンズや保存ケースに付着したアメーバが細菌を餌にして増殖します。このアメーバが角膜の小さな傷から中に入り込み感染します。予防としてはコンタクトレンズの使用期間を守る。決められたケア方法を守る。汚れたレンズケースは早めに取り替える。異常を感じた際には早めに眼科を受診する。眼鏡とコンタクトレンズを併用する。等があります。治療はアメーバに対する特効薬がないため、抗真菌薬を使用しますが、それに加えて感染した角膜表面を何度も削る治療を併用する必要があります。根治には何カ月もかかることがまれではありません。どうしても治らない場合は、角膜移植を余儀なくされる場合もあります。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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