こんにちは、池袋サンシャイン通り眼科診療所でございます。
涼しい季節になり、過ごしやすくなってきましたが、体を冷やさないように気をつけて下さいね。

今回のテーマは、メガネをかけると近視が進む？です。
皆様の中でもメガネをかけると、近視が進むと聞いたことがあったかもしれません。
しかし、それは俗説で、真実ではありません。

・近視の物の見え方
近視とは、物を見るときに網膜の前方に像を結ぶ眼で、近方には調節をしなくてもピントが合う眼です。簡単に言うと、遠くがぼけて近くが見やすい眼ということです。
遠くを見えるようにメガネでするには、（凹レンズ）で、網膜に平行光線が像を結ぶようにする必要があります。メガネのレンズを使って遠くにピントを合わせるとういうことなので、適したメガネを使っていればメガネをかけると近視が進むということはありません。

・めがねをかけはじめる時期
メガネをかけることに羞恥心があったり、メガネをかけることによって近視が進むということを心配していたりして、近視が進んでいるにも関わらずなかなかメガネを かけたがらない方が時々いらっしゃいます。しかし、遠くが見えないと不便で疲れますし、人によっては遠くを見る時に目を細める癖が付いてしまいます。また、近視が十分に進行してからメガネをかけはじめることになると急に強い度数のメガネをかけることになり、疲れてしまうためメガネに慣れるのに時間がかかってしまいますので、医師の判断があれば、早めにメガネをかけはじめたいものです。

・メガネをかけると近視が進むか
　まず、メガネを使用しないで遠くを見るときは常に頑張って遠くを見ている状態です。そこで、メガネを使用するようになると頑張らなくても遠くが見えるため眼は リラックスした状態になります。そのため、メガネを使用するようになってからメガネを外すと眼はメガネを使用していない時より個人差はありますがそれまでのように無理していない分、遠くが見にくい場合もあります。そのため、メガネをかけると近視が進んだと勘違いされているに過ぎません。

・特に近視メガネをかける場合の注意点
　軽度の近視の方は、近くを見る作業の場合は、メガネは使用せず、遠くを見るときだけ使用するといった使い方で問題ありません。ただ近視がある程度強く焦点が少し先でもぼけてしまう中度から強度の 近視の方は常用するといった使い方が良いでしょう。メガネをかけたり外したりすることによって近視が進むということを心配される方もいらっしゃいますが、メガネをかけたり外したりしても近視が進むことはありませんから心配ありません。また、近くを見る作業が多い方（長時間書類を見る方、長時間パソコンをする方など）は近視の度は弱めの方が使いやすいでしょう。また、反対に一日中運転をしているなど、遠くをしっかり見なくてはならない環境の方は近視の度がしっかり入っているメガネが使いやすいでしょう。
　メガネの度は生活環境に合わせたものが使いやすいので用途によって度数が違うメガネを使い分けても問題ありません。また、それによって 近視が進むということもありません。

・コンタクトレンズ利用者こそメガネをぜひとも一本
　コンタクトレンズ利用者は、まぶたの裏側がコンタクトレンズとの相互作用でアレルギーをおこしてしまうアレルギー性結膜 炎に罹患する可能性をいつも孕んでいます。そのような病気の場合、医師からコンタクトレンズはしばらくお休みして下さいといったことがあります。その場合メガネは絶対必要です。また、上記アレルギー性結膜炎をはじめとする眼疾患はコンタクトレンズの装用時間が長すぎることと相関関係があり、一日のうち一定時 間はコンタクトレンズをはずしてメガネをかけるようにすることにより、コンタクトレンズによる眼疾患を予防することも可能です。メガネはコンタクトレンズと違い眼の不調によりかけられないということはほとんどありませんし、コンタクトレンズのような特別なお手入れもいりませんので、コンタクトレ ンズを使用している方は必ず持っていたほうがいいでしょう。
　このように、メガネは便利で使いやすい物です。メガネをかけると近視が進むということはありませんので、心配せずメガネを使って下さい。