56.ご両親が緑内障の方

こんにちは池袋サンシャイン通り眼科診療所です。
すっかり冬の寒さです
この時期はお鍋に限りますね

今週のテーマは
<ご両親が緑内障の方>です

ご両親が緑内障で、ご自身も将来緑内障になるのではと心配されている方も多いでしょう
たしかに、遺伝(いでん)についてはっきりとした研究結果があるわけではありませんが、家族のだれか、つまり両親や兄弟姉妹などに緑内障の人がいる場合には、緑内障になる可能性が高いと考えられています。緑内障は日本における失明の第2位を占める病気です。岐阜県多治見市で行われた緑内障疫学調査(多治見スタディー)によれば、40歳以上の17人に1人が緑内障の潜在患者さんであるとの報告がされています。全国の患者数は推定約400万人に達します。緑内障については、早期発見、早期治療の重要性が叫ばれています


<メカニズム>
緑内障は、視神経(ししんけい)(目の神経)に障害が起きる目の病気です。視神経は、目からの情報を脳へ伝える働きをします。ちょうどコンピュータの本体と画面をつなぐケーブルに似ています。伝わった情報が脳で画像として組み立てられて、私たちは見えたものを認識するのです。視神経が傷ついて障害が起きると、情報を正確に伝えられず、脳で画像をうまく組み立てることができなくなります。そして、緑内障が進行し、眼圧が高いまま視力もなくなり、種々の合併症を起こしている末期のものを、絶対緑内障といいます。早期発見、治療して、病気の進行を止めないと、ついに失明(絶対緑内障)に至るのです。実際、緑内障で失明する人は、糖尿病網膜症(もうまくしょう)についで2番目に多く、油断のできない病気なのです。緑内障の患者さんは、症状が重くなるまで、このような変化に気がつかないことがあります。そのため、障害がかなり進行してから初めて眼科の先生を訪れる人も少なくありません。一度発症すると、長くつきあっていかなくてはいけない病気だけに、主治医との相性も大事です。緑内障検診は、信頼できる眼科医を見つける良い機会でもあります。40歳を過ぎたら、まずは一度、眼科で検査を受け、病気になる前に信頼できる眼科医を見つけておきましょう。
 視神経に全く異常がなかった場合は、1、2年に一度程度を目安に検診を受けると良いです。定期的に検診を受けていれば、視野(しや)(見える範囲)が充分広いうちに、緑内障による視神経の障害をみつけることができます

緑内障は、白内障などの病気と同じく自覚症状があまりないのが特徴です。ですので、発見が遅れて視力を失った。ということにならないよう初期症状を見逃さないことが大切です。


<種類>
原発開放隅角(げんぱつかいほうぐうかく)緑内障
房水の出口(隅角)は開いているものの異常はないが、隅角の網目が目詰まりするために房水の排出が悪くなり、眼圧が高くなる緑内障です。
原発閉塞隅角(げんぱつへいそくぐうかく)緑内障
房水の出口である隅角が虹彩によってふさがれてしまい、房水の排出が悪くなり、眼圧が高くなる緑内障です。

正常眼圧緑内障
眼圧は正常範囲内(10~21mmHg)なのに、その人にとっては高い状態であるため、緑内障と同じように視神経や視野に障害を起こす病気です。重要なことは、前述の緑内障調査において、推定患者数の8割以上がこのタイプに属していたということです。
続発(ぞくはつ)緑内障
緑内障以外の目の病気が原因となって、二次的に緑内障になるタイプです。ブドウ膜炎、眼内炎、糖尿病網膜症、外傷、薬剤による副作用など、原因は多種多彩です。

ポイント
緑内障では、視神経線維が傷ついて機能を失ってしまう。
●いったん視神経線維が傷つくと回復しない。
●視神経線維が傷つくと視野が悪化する。
●眼圧が上がり過ぎると視神経線維が傷つきやすくなる

緑内障の発見には下記の検査を行います

眼圧検査   
眼圧は、緑内障は眼圧が正常(10~21mmHg)より著しく高い患者様から、中等度の患者様、正常範囲におさまる患者様までまちまちです。
眼圧の測定方法は、スクリーニングの時には、非接触型(ノンコン)が多く用いられ、眼科専門医はゴールドマン型圧平圧計を用いることが多い。   
    
眼底(視神経)検査
顕微鏡などで眼球の奥をのぞき、視神経に異常がないかチェックします   
検眼鏡を通じて主に視神経や網膜を観察する検査です。この検査により眼底疾患の有無を調べることが出来ます。また、眼底カメラを使用することにより、眼底の写真を撮ることも出来ます。

視野検査
視野計測の器械を使い、視野が欠けていないかチェックします
この検査により眼底疾患の有無を調べることが出来ます。
また、HRTⅡという機器により視神経乳頭の変化を経過を追って観察する事も出来ます。

緑内障の治療で一番大切なことは、視神経(ししんけい)が障害を受けるのを防ぐことによって、視力などの視機能を保つことです。眼圧(がんあつ)(目の中の圧力)が高いとその圧力やその他の原因で視神経が障害を受けるので、眼圧を下げることが、緑内障治療の第一目標となります。眼圧が下がると、多くの患者さんでは視野(しや)(見える範囲)が狭せまくなるスピードが遅くなったり、止まります。ただ、少数ではありますが、眼圧が充分に下がっても視力がいくらか低下し続ける患者さんもいます。
日本眼科学会,日本眼科医会ともに、40歳以上の方の年一度の眼科受診を薦めており、特に、ご家族に緑内障の方がいらっしゃり心配な方は、是非一度緑内障医のもとで、上記検査をご希望される事をお勧めします。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。

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